「前夜 ZENYA」小林よしのり他

そういえば、震災後、原発付近で復旧、後処理の仕事をしている人たちの 報道はほとんど聞こえてこない。 ベクレルとかマイクロシーベルトとか何気なく数値を聞いて、 「基準の何倍」とか聞けば何となく驚いて。 こういうものを読めば少しでも実情は見えてく…

「愛の渇き」三島由紀夫

ブックオフで三島由紀夫の文庫を買い集めたから、 三島分だけでも積読状態。自分の中での読書予約にペースが追いつかない。 ちょっとサボりすぎた。 この本も読むのに時間がかかった。 来年、映画「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」が公開される。 友…

「仮面の告白」三島由紀夫

純文学は現代小説のようなこれといったオチはないが、 それがまた小説と現実との間に絶妙で面白い感覚を生む。 それはそうと、そろそろ評論も読まないと読書バランスが…。

「砂の女」安部公房

世にも奇妙な物語にありそうな話。 面白い。 文章の比喩も素晴らしい。そして、エロティックだ。

「限りなく透明に近いブルー」村上龍

ドラッグや乱交パーティーをやっている人間をなぜここまで描写できるのか。 24歳でこれで新人賞受賞。 村上龍ってカンブリアで普通のおじさんみたいだが、すげぇ。

「向日葵の咲かない夏」道尾秀介

元サラリーマンで営業ではトップだったらしい著者。 ビジネスの世界で吸収した感性を味わえるかと思い、手に取った。 作中の出だしの部分や、小学生ではありえないほど大人びた言動に、 どうしても違和感を感じつつ、後半の現実にありえそうな猟奇的展開に、…

「芽むしり仔撃ち」大江健三郎

カミュのペストを思い出した。 大江もさすがに重量感のあるのを書く。 物書きの勉強になる。

「バタイユ入門」酒井健

さらっと流しながら読んだ。 バタイユの思想解説を期待していたが、ちょっと「入門」の意味合いが違い、 生い立ちの部分が強かった。 ただ、生き残る哲学や思想は、その人の生き抜いてきた環境や境遇が、 今のような豊かなものではないからこそ生まれるので…

「ペスト」カミュ

やはり、小説からその人の思想や哲学を読み取るのは難しい。 学生の頃に、まんまと触発されてドストエフスキーの作品に挑戦したが、 海外もの、特にこれらの古典的な西洋小説は、一文一文の意味がスッと頭に 入ってこない。それを、アマゾンのレビューみたく…

「知識ゼロからの哲学入門」竹田青嗣

カバーデザインは可愛らしくて少し恥ずかしいが、 中身は、30人の哲学者をピックアップした濃い内容。 「哲学なんて勉強して意味あんの?役立つの?」と周りからは言われそうだが、ではあなたが言うその「意味」「実用性」って何ですか?と返したい。 今の…

「大学受験に強くなる教養講座」横山雅彦

著者は有名な英語のロジカルリーディングの予備校講師。 幼馴染もこの講師の授業を受けていて、ロジカル、ロジカルと楽しそうだった。 本の内容は、教養講座というかなんというか、横山の好きな分野を 好きなように語っているという感じで、個人的にはそれほ…

「天皇論」小林よしのり

幼い頃、テレビに映る天皇皇后両陛下を見て、 「なんて気楽なんだろうな…」と思っていた。 「天皇ってどうやって暮らしてんの?」と親に聞いても、 明確な答えはなかったのを記憶している。 皇室というものをきちんと理解し説明できる日本人自体が、 もう多…

「世界の宗教と戦争講座」井沢元彦

タイミング良く加筆された新版が出ていた。 危うく旧版を買うところだった。 なぜ、あの中東の人はそこまでして戦うのか? 神がそうしろと言ったからである。 なぜ、あの人たちは中絶を認めないのか? 妊娠は神の思し召しだと考えているからである。 日本人…

「働かないアリに意義がある」長谷川英祐

アリの世界では、コロニー(巣)の中で、2割は働いていないらしい。 しかし、変化の激しい環境の中では、いつ仕事がパンクするかわからない。 その時に、その2割が仕事をする。 働かないアリにも存在意義があるのだという。 人間社会で、仕事をサボってい…

「どんな本でも大量に読める「速読」の本」宇都出雅巳

速読は胡散臭い。 社会人になったばかりのころ「フォトリーディング」の講座を受けた。 結局、速読は身につかなった。 (著書にも書いてあるが、フォトリーディングを全否定しているわけではない) しかし、この本で提唱している「高速大量回転法」は、 何か…

「池上彰の宗教がわかれば世界が見える」池上彰

専門家との対談集。 宗教は「よく死ぬ」ための予習である、という位置づけで、 各宗教の概要に触れているが、各々かなり細かい内容もある。 それなりに基礎知識がないと置いていかれる。 人間誰しも最後は死ぬわけで、どうやって生きようかと悩む。 そこには…

「日本人はなぜ無宗教なのか」阿満利麿

「あなたの宗教は何ですか?」と聞かれたら、 多くの日本人は、「…特にないです。無宗教です。」と答えてしまうだろう。 しかし、本人にとっても、実際にもこの「無宗教」というのは「無神論者」という意味ではない。 日本人特有のこの感覚を考える上で、「…

「欲望について」ウィリアム・B・アーヴァイン

個人的にどストライクの本。 欲望とは何か。欲望に悩まされている。欲望を抑えるにはどうしたらいいのか。 こう思っている人は読むべき。ただし、本書が欲望から解放される「特効薬」になるわけではない。 生きていく中で、自分の中で生まれる欲望とどう付き…

「宴のあと」三島由紀夫

政界で生きることに挑戦する元大臣と妻になった女将の話。 自分自身にも、これから多くの「宴」があるだろう。

my guitar

6月に購入したギター「エピフォン カジノ/Epiphone Casino」 セミアコなので、これでジャズもやっていこう。

「花ざかりの森・憂国」三島由紀夫

短編集。 すべてを読んではいないが、「憂国」だけを読めば十分だと思う。 このリアリティ溢れるエロさ、グロさは秀逸。 フィクションなのだろうが、実話ではないかと思わせるほど。 自分の生きる「覚悟」の不足を感じさせられる。 これほど再読したいと思っ…

「音楽」三島由紀夫

それを「音楽」と例えるセンス。個人的に大好きだ。 恥ずかしながら、今になって私が初めて読んだ三島由紀夫の著書。 登場人物は多くなく、何かどんでん返しがあるストーリではない。 ただただ、主人公の分析が著者三島の分析能力そのものなのだと恐れ入った…