「バタイユ入門」酒井健

さらっと流しながら読んだ。
バタイユの思想解説を期待していたが、ちょっと「入門」の意味合いが違い、
生い立ちの部分が強かった。


ただ、生き残る哲学や思想は、その人の生き抜いてきた環境や境遇が、
今のような豊かなものではないからこそ生まれるのである。


次は自著に取り組む。
バタイユ入門 (ちくま新書)

「ペスト」カミュ

やはり、小説からその人の思想や哲学を読み取るのは難しい。


学生の頃に、まんまと触発されてドストエフスキーの作品に挑戦したが、
海外もの、特にこれらの古典的な西洋小説は、一文一文の意味がスッと頭に
入ってこない。それを、アマゾンのレビューみたく翻訳の原因に置き換えるのはつまらないケチになるから避けたい。


いい意味でずっしりと重いものなので、焦らずじっくり読むべきだと反省。
ペスト (新潮文庫)

「知識ゼロからの哲学入門」竹田青嗣

カバーデザインは可愛らしくて少し恥ずかしいが、
中身は、30人の哲学者をピックアップした濃い内容。


「哲学なんて勉強して意味あんの?役立つの?」と周りからは言われそうだが、ではあなたが言うその「意味」「実用性」って何ですか?と返したい。


今の世の中、何が無意味で何が役に立つかなんてわかりますか?


単純に面白いと感じるから読む。


バタイユの「エロティシズム」は今後じっくり取り組んでみたい。
エロスを追究するって何かカッコいい。
知識ゼロからの哲学入門

「大学受験に強くなる教養講座」横山雅彦

著者は有名な英語のロジカルリーディングの予備校講師。
幼馴染もこの講師の授業を受けていて、ロジカル、ロジカルと楽しそうだった。


本の内容は、教養講座というかなんというか、横山の好きな分野を
好きなように語っているという感じで、個人的にはそれほど収穫はなかった。


ちょっと各論点が断片すぎか。
大学受験に強くなる教養講座 (ちくまプリマー新書)

「天皇論」小林よしのり

幼い頃、テレビに映る天皇皇后両陛下を見て、
「なんて気楽なんだろうな…」と思っていた。


天皇ってどうやって暮らしてんの?」と親に聞いても、
明確な答えはなかったのを記憶している。


皇室というものをきちんと理解し説明できる日本人自体が、
もう多くはないのだろう。


しかし、皇室が今の存在している以上、日本人であれば、
教養ではなく常識として勉強しなければならない。


私もまったく理解できていないが、少なくとも今は、
幼少の頃の天皇観と今のそれとはまったく違ったものになっている。
ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論

「世界の宗教と戦争講座」井沢元彦

タイミング良く加筆された新版が出ていた。
危うく旧版を買うところだった。



なぜ、あの中東の人はそこまでして戦うのか?
神がそうしろと言ったからである。


なぜ、あの人たちは中絶を認めないのか?
妊娠は神の思し召しだと考えているからである。


日本人はこの宗教感覚を理解しなければいけないのだと思う。


「人の箸は使いたくない」


「縁起でもないことを言うな」


日本人はなぜこう言うのか?
「穢れ」と「言霊」の神道宗教が身に染みついているからだ。


宗教の基本を学ぶことはできる。
<決定版>世界の[宗教と戦争]講座 (徳間文庫)

「働かないアリに意義がある」長谷川英祐

アリの世界では、コロニー(巣)の中で、2割は働いていないらしい。
しかし、変化の激しい環境の中では、いつ仕事がパンクするかわからない。


その時に、その2割が仕事をする。
働かないアリにも存在意義があるのだという。


人間社会で、仕事をサボっている2割の社員は、
その集団に余力がなくなったとき、果たしてアリと同じように、力を発揮してくれるだろうか。


私はそれは難しいだろうなぁと思う。


ビジネスに役立てられる内容ではないが、社会性昆虫の世界を知るという点では、面白い。
働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)